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ミステリの祭典

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家康暗殺 謎の織部茶碗

作家 森真沙子
出版日1991年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 クリスティ再読
(2024/10/22 18:31登録)
茶道ミステリのつもりだったが...確かに古田織部の死をめぐる謎についての歴史推理には違いない。茶道家元の長女が骨折入院し、男主人公がサポートするわけで、ベッドディティクティヴの定型をなぞっているわけ。それに加えて、このヒロインをめぐる次期家元候補の争いと一方の事故死という謎まで加わる...

それでも「歴史ミステリ」色が強くて、茶道ミステリというカラーは薄い。結局何をしたいのか?って戸惑いながら読んでいくような印象。歴史ミステリとしての着地点も?という感想だし、強引にこれを現代の事件につなげているけどもねえ。

確かに歪んだ織部茶碗って、飲み口がかなり限定されると思うよ。変なところからは本当に飲みにくいものだ。それがあまりちゃんと説明されていないし、毒を潜ませるにも限度があるというものだ。

まあ織部という人物って相当ヘンな人だったんだろう。井戸茶碗って業の深い茶碗だから、それこそ「お化け」が出そうなモノだけど、それを織部が4つに割って継ぎ直した「十文字」という茶碗を実見したこともある。いや、さらにオカしくなってて妖気みたいなものがあったからねえ。そういう意味だとこの作中でも少し触れられる、司馬遼太郎が珍しく織部みたいな茶人を主人公に書いた短編「割って、城を」が正鵠を得ている部分ってあると思う。

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