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ミステリの祭典

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56日間

作家 キャサリン・ライアン・ハワード
出版日2022年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 YMY
(2024/10/13 22:37登録)
集合住宅の一室で発見された腐乱死体。この事件を担当することになったのは、アイルランド警察のリー・リアダン警部とカール・コナリー巡査部長。彼らの捜査を描く現在パートと並行して進行するのは「50日前」などと題された過去パート。死体発見の56日前、キアラという女性がオリヴァーという男性と出会う。彼らは惹かれ合うようになったが、そんな二人の運命を狂わせたのがコロナ禍だった。
ロックダウン下とはいえ、不自然なほど外出をしたがらないオリヴァー。彼が何らかの秘密を抱えているらしいことは、早い段階で暗示されている。キアラとオリヴァーの探り合いと、現在のパートの事件とがどのように結ぶつくかが読みどころ。
作者がコロナ禍を背景に選んだのは物語に現実味を持たせるための設定に過ぎないようだが、男女の濃密な心理劇にさらなる閉塞感、緊迫感を加味しているのがこの設定であることも明らかだ。

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