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ミステリの祭典

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天体の回転について

作家 小林泰三
出版日2008年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/09/26 22:15登録)
宇宙に恋焦がれたことのあるすべての人々に捧ぐ―― 少年の初恋と大気圏離脱を描いた表題作をはじめ、全8篇を収録する傑作本格SF短篇集。 小飼弾氏(404 Blog Not Found)推薦!
Amazon内容紹介より。

様々な奇想が炸裂するSF短編集。例えば表題作を見るとSFに見立てた恋愛小説の様にも感じるし、ある作品は叙述トリックが仕掛けられていたり、エログロ全開もありますし、王道ファンタジーかと思いきやどんでん返しでやられたり。兎に角、バラエティに富んだ佳作揃いと言えるでしょう。
取り敢えずあとがきによると、どれも背景にはSFの骨格が確りと根付いており、単なる虚仮脅しとは事を異にする様です。

作者の言葉の中には、デビュー作のホラー作品でもSFと捉える事が出来ると書かれています。もっと言えばこの人はSF作家と自認しているきらいがあります。
本作品集は本当は難しい理論が必要な部分も比較的優しく解説されており、SFを苦手にしている人も読み易いと思います。私のベストはひときわ異彩を放つ『性交体験者』です。このレベルが並んでいれば7点は堅かったでしょう。

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