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ミステリの祭典

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人間椅子
人間椅子・目羅博士の不思議な犯罪・押絵と旅する男

作家 江戸川乱歩
出版日2024年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 みりん
(2024/09/24 10:08登録)
可愛らしいデザインの角川文庫のもので読みました。
『人間椅子』は乙女の本棚シリーズで読んでいたので再読。
初読時はよくぞこんなニッチな異常性癖を…と楽しみましたが、あの『芋虫』を読んでしまった後はまだまだ振り切れていないなと。感覚器官欠損の美学として『芋虫』は『人間椅子』の強化版です(私見)。そして、最後の最後でリアリズムというか、著者の中の理智が勝ってしまったような葛藤が読み取れる。
『目羅博士の不思議な犯罪』は鏡(模倣)の恐怖をテーマにしていて、怪奇短編『鏡地獄』が探偵小説寄りになったような感じか?これは両者引き分け。なんだかこの目羅博士、夢野久作の作品にも出てきそうな感じがする(笑)
『押絵と旅する男』も人ならぬものに恋煩った男の話。これもどこか『人でなしの恋』とダブる。老化はやはり人生における最大の敵ですな。

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