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ミステリの祭典

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死者と踊るリプリー
トーマス・P・リプリー

作家 パトリシア・ハイスミス
出版日2003年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 レッドキング
(2024/09/21 22:33登録)
リプリーシリーズ第五弾にして最終弾、かつ第二作「贋作」の続編。夭折した画家の贋作ビジネスに関わるリプリーに、かつて犯した殺人をネタに執拗に絡んでくる不気味な夫妻。奇矯で陰湿で挑発的な夫妻との神経戦が、遺棄死体の出現を機に、グロテスクで滑稽なプチサスペンスへ展開する。リプリー、今回、このシリーズで初めて人を殺してない。

※ところで、このシリーズのリプリーの年代設定が気になる。1950年代の「太陽がいっぱい」では二十代、で、この第五作ではCDが出て来るので、80~90年代、てことはリプリー還暦あたり?・・何か違うなぁ。リプリー、シリーズを通して「未熟な若者」のまま、全然成長してない。野暮な「現実的」設定には囚われず、「永遠の若者」像のハーフダークファンタジーとして読むべきなのか。

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