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ミステリの祭典

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刑事部屋(デカべや)2
部長刑事シリーズ

作家 島田一男
出版日1981年08月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 斎藤警部
(2024/09/09 23:59登録)
今日は記念すべき昭和九十九年九月九日だってんだから、「刑事部屋1」と同じ九点を折角だから差し上げてえ所だが、、この「2」には、「1」にはまるで無えちょっとした緩みがあってナ、どうしたって八点にマケさしてもらうよ。「1」に較べると妙に話の本数が多い「2」なんだが、後半に行くに連れ短けえ話ばかりになってくる。短けえのはいいんだが、おわり三分の一となるとちょいとミステリの深みが底まで通じてねえような話が並ぶようになってな、寂しかったよ。 とは言え、その三分の一だってじゅうぶん文章のキレはあるし、イキのイイまず上等な短篇ばかりで六~七点は充分キープなんだがね。 

始まって三分の二くらいまでは「1」と同レベルのミステリ深度と高いテンションとシビレるスリルと、もちろん最高の熱い文章力で「大衆文学と推理小説の融合」を高い次元でやっちゃってるディープ・サザン・ソウルが並ぶ。 意外性凝らしたストーリーに人情あり覇気あり殺伐あり。 あれ?推理小説ってもともと大衆文学じゃなかったっけ? ってそりゃ言葉の綾というモノでありましてね。

第一話 信号は赤だ
第二話 妖婦の檻
第三話 安全地帯
第四話 刑事部長(デカチョウ)物語
第五話 殺人環状線
第六話 土曜日の男
第七話 毒蛾の街
第八話 青い顔の男
第九話 死者の呼び声
第十話 地獄への脱走

巻末、「事件記者」役者だった原保美氏による解説、というよりエッセイ、ちょいとふらついた韜晦まじりの人情現場証言は、短いながらもスコープ広く情報たっぷりで、読ませます。

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