home

ミステリの祭典

login
奈良-紀州殺人周遊ルート
朝見大介シリーズ

作家 高柳芳夫
出版日1988年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2024/09/23 18:53登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の朝見大介シリーズ第2作の本格派推理小説です。プロローグでアイドル歌手がビルから墜落死し、警察は自殺と判断します。次章では背景が変わり、朝見の書いた推理小説が映画化されることになりロケに立ち会うことになりますが彼の目前で女優が胸を刺した短剣が小道具でなく本物だったという事件が起き、その後も朝見の作品を模倣したような事件が連続します。朝見作品の粗筋は第4章で紹介されますが、作品のトリックでは説明できない謎もあって事件は紛糾します。外交官出身の作者が芸能界の闇をテーマにするという試みをどう評価するかで悩みました。当時の芸能界スキャンダルを参考にしているようですが週刊誌の憶測記事と大差ないようにも感じますし、通俗色が濃いのも読者の好き嫌いは分かれそうです。謎解きはしっかりしており、トリックは小手先レベルの積み重ねですが犯人を追い詰める逆転推理はなかなかよく考えられていると思います。

1レコード表示中です 書評