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ミステリの祭典

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オイディプス王
ギリシャ悲劇

作家 ソポクレス
出版日1967年09月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 弾十六
(2024/09/04 18:14登録)
初上演紀元前427年ごろ。光文社古典新訳の河合祥一郎訳(ギリシャ語の英訳を底本にしたもの)で読みました。ギリシャ語に不案内だが英語の注釈を頼りに原文のリズムを考慮して頑張りました!という意欲作。ある意味ギリシャ語古典プロパーへの挑戦状だけど上出来だと思います。翻訳文を声に出して吟味した、という姿勢はあらゆる翻訳家が実践して欲しいですね。
驚いたことに当時のギリシャでは演劇コンテストで一位になれなかった(多分二位だったろう)、という。
この伝説は初演当時もギリシャ人にはお馴染みなものだったらしく、そういうことなら、登場人物が知らないことをすでに観客は知っていて、いつ本人が気づくか、というドラマチック・アイロニーを楽しんでいたわけだ。
冒頭に殺人事件を解明する!と宣言があって、事実が判明するやり方は結構近代的、いや現代でも証拠として必要充分だ。
非常に楽しめました。

ところでオイディプス王とイオカステ妃の間に子供4人!妃頑張りすぎじゃない?

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