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ミステリの祭典

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邪宗館の惨劇

作家 阿泉来堂
出版日2022年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 びーじぇー
(2024/09/03 22:11登録)
バスの事故によって山奥で立ち往生した耕平は、他の乗客たちと共に近くの廃墟へと逃れた。そこはある宗教団体の施設で、かつて大量死事件が起きた場所だった。その夜、乗客たちを惨劇が襲う。そして気が付くと、耕平は事故を起こす前のバスに乗っていた。全く同じ事件が繰り返され、耕平は自分が同じ一日を反復し続けていることを確信する。
作中で起きる怪異は紛れもなくホラー。一方で、序盤から見えていた小さな疑問が、意外な真相の手掛かりとなる構成と、怪異の背後に潜むロジックを解き明かす手つきはミステリといってもいい。
感動に満ちた決着をみせるクライマックスから、さらに一捻りしたラスト。宿敵ともいうべき存在も浮上し、シリーズのこれからへの期待も高まる。

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