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ミステリの祭典

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桃源亭へようこそ
陶展文シリーズ6作+非シリーズ1作

作家 陳舜臣
出版日2024年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2025/06/20 21:24登録)
(ネタバレなしです) 陶展文シリーズの短編は全部で6作書かれましたが1冊の単行本に全部まとめられたのは作者の生誕100周年の2024年に出版された徳間文庫版の本書が初めてです。なお本書には陶展文の料理人としての活動が描かれていないという理由で「幻の百花双瞳」(1969年)という幻の点心メニューを巡っての人間ドラマを描いた短編がおまけで付いていますが、非ミステリー作品なので個人的には蛇足の感があります(レシピの謎解きミステリーと解釈される読者の方もいるかもしれませんが)。もっとも陶展文シリーズの短編も本格派推理小説としては他愛もない謎解きが多いですけど。その中ではちょっとした不自然さを鋭くとがめた「くたびれた縄」(1962年)とほのぼのとした締めくくりの「王直の財宝」(1984年)が個人的には好みです。

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