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ミステリの祭典

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リプリーをまねた少年
トーマス・P・リプリー

作家 パトリシア・ハイスミス
出版日2017年05月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 レッドキング
(2024/08/28 22:22登録)
アラン・ドロン死す・・日本以外では本国含め、どれだけ人気あったんだろ・・ で、リプリーシリーズ第四弾。
大企業経営者の父親を殺して家出した、16歳美少年のアプローチを受けるリプリー。法的にはシロながら、世間的にはグレー視されるピカレスクヒーローとして、少年に見込まれ、何の利益にもならない保護者、それ以上に「アニキ」役をイソイソと受け入れる。パリからハンブルグ、さらには壁時代の西ベルリンへ、少年との浪漫逃避行の末に、身代金目当て誘拐団との大立ち回り救出劇を演じ、挙句の果てに、衝動的な人殺し・・またもや・・までに至る。映画「太陽がいっぱい」のラストインパクトから遠く離れた、半汚れ・・実は真っクロな・・ヒーローの、美少年相手の暇つぶし感傷旅行てとこか。ゲイクラブでの女装救出劇あたりは、ちょっとした手に汗握る展開で、ラストの苦さもよい。「取り返しの付かない事に心塞がれる人生は損だよ」てな処世訓、正論だが、失恋と人殺しとでは重さ違うしねぇ。

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