home

ミステリの祭典

login
猫のゆりかご

作家 カート・ヴォネガット
出版日不明
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 糸色女少
(2024/08/24 21:42登録)
舞台はカリブ海に浮かぶ「ボノコン教」が流行したサン・ロレンゾ共和国に移動しつつ、ジョーナと博士の子供たちとの騒動は続く。作者のシュールで社会風刺に満ちた喜劇作家という側面が前面に出た物語である。
宗教と科学というテーマを描きつつも、社会に対する風刺やナンセンスな小道具によって笑わせる。特に架空の主教「ボノコン教」の細部の設定については、彼のセンスがふんだんに盛り込まれ、シュールながら惹かれてしまう。
本書は後続の作品にもしばしば見え隠れする「この世に真実なんてない」という皮肉を、最初に打ち出した作品と言えるのではないか。内容にもモチーフにしても、作者らしさが詰め込まれている。

1レコード表示中です 書評