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ミステリの祭典

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消える魔術師の冒険
エラリイ・クイーン、シナリオ・コレクション

作家 エラリイ・クイーン
出版日2021年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2026/03/06 15:21登録)
 「見えない足跡の冒険」はスッキリしないな。真相が推理の通りならば、犯人はアリバイ(と言うか “自分は母屋から出ていない” 証明)を用意する必要があった。
 但し、密室であり、自殺や事故ではない状況だから、どうせ何かトリックが必須。アリバイがあってもトリックの一環と疑われて、犯人も安全圏にはいられないかも。
 そもそもコレは、他者に邪魔されずに殺す為のトリックであって、密室は寧ろ犯人にとって不都合。雪が無ければ外部犯の可能性も考えられたのに。
 ――と言った、犯人の狙いと現実との齟齬をもっと強調した方が良いと思う。
 「赤い箱と緑の箱の冒険」。色盲がネタだと、“色盲について作者は適切に理解しているか” が気になってストーリーが頭に入って来ない。

No.1 7点
(2025/03/05 21:03登録)
クイーンのラジオドラマ・シナリオ集の第4作に収められた7編は、「活字化されたもの」(本や雑誌で出版されたものの意味でしょう)ではなく、脚本から直接訳したのだそうです。それに日本で上演された短い舞台版「13番ボックス殺人事件」脚本も付いています。
さすがにここまで来ると質が多少落ちているのではないかと危惧してもいたのですが、そんなことはありませんでした。最初の『見えない足跡の冒険』からして、カーばりの雪密室、しかもそのトリックはディクスン名義の某作品とも共通する発想で、なかなかうまくできています。表題作もタイトルどおりの不可能を演出(犯罪ではなく一種のショー)、これは『三つの棺』の中で解説されていた方法のバリエーション。『十三番目の手がかりの冒険』では後に『十日間の不思議』以降クイーンが得意とするパターンが見られます。
個人的には『不運な男の冒険』『タクシーの男の冒険』が気に入りました。

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