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ミステリの祭典

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サマータイム・アイスバーグ

作家 新馬場新
出版日2022年07月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 まだ中学生(仮)
(2024/08/20 21:34登録)
真夏の三浦半島沖に一夜のうちに現れた不思議な氷山を見に行った高校生の宗谷進は、そこで倒れていた一人の少女を拾う。少女は自分の名前を言えなかったが、その顔立ちに進は見覚えがあった。一年前に事故で昏睡状態になり、ずっと入院している富士天音にそっくりだったのだ。進は少女を夏の間だけ世話になっている叔父の家に連れ帰り、日暈と名付けて面倒を見るが、そんな少女の存在に気付いて捕らえようとする動きがあった。
エネルギーの結晶ともいえる氷山が持っているある機能がもたらす影響は、日本どころか人類史の全てを塗り替えかねないもの。日本政府だけでなく米国や中国も奪取を狙う中、進は天音も入れて四人でグループを組んでいた安庭羽、天塩一輝を引き込んで氷山と共にもたらされたメッセージの意味を知り、未来につながる決断をする。
時間の円環を繋げるために戦うSFで、同時に出生の秘密を受け入れ家族との関係を再構築する進、自虐気味だった性格を改める羽、自分らしさを解放する勇気を得る一輝ら少年少女が、冒険を経て成長していく姿を描いた青春小説。

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