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ミステリの祭典

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トラップ
「ナンバー」シリーズ

作家 相場英雄
出版日2014年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 E-BANKER
(2024/08/03 14:07登録)
主に「知能犯」の取り締まりが「お役目」の警視庁捜査二課。二課所属の刑事である西澤をメインキャラクターとした連作短編集。
まぁ「よくある」警察小説っぽくはあるのだが・・・どうか?
単行本は2014年の発表。

①「土管」=どこの職場でもある「同期との出世争い」。当然警視庁にもあって、同じ二課に所属する同期が大手柄を挙げて警視総監賞をもらう、なんてことを耳にすれば心穏やかではない、当然。でも結果としては・・・? 因みにタイトルは警察の隠語で情報協力者の意味らしい。
②「手土産」=突然に国会が解散され始まった選挙戦。西澤は選挙違反取締りのための応援で所轄に派遣されることに。そこには本部嫌いの主任刑事がいて、西澤に仕事を与えてくれない・・・。まぁ会社組織なんかではあるあるです。嫌な上司というのは、だいたい過去に自分も組織内で嫌な目にあっている・・・。って、本題は公職選挙法違反です。
③「捨て犬」=捨てられた柴の子犬と現場重視のキャリア警察官。一見して似て非なるものどうし。でも、ふたつが重なったとき・・・どうなる? 警察小説といえば、キャリアVSノン・キャリアというくらいメジャーなテーマではあるけど、キャリアだって所詮人の子だよな。で、西澤はだいぶ成長した姿を見せる。
④「トラップ」=会心の捜査、会心の結果! だったはずだったのに・・・まさかの結末が待ち受けている。人生、好事魔多しということなのかな。

以上4編。
実に手堅い作品です。正直なところ、どこかで読んだことのあるような、まさに警察小説の「雛形」という感じ。
まあでも一定の面白さはあります。
こういう手の作品が好みの方なら、一読の価値はあるでしょう。
続編も出ているのかな?
(個人的ベストは・・・どれも同水準だな)

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