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ミステリの祭典

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彼女が家に帰るまで

作家 ローリー・ロイ
出版日2016年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 YMY
(2024/07/30 21:13登録)
一九五八年、舞台は経済の衰退が著しいデトロイト近郊の郊外住宅地サバービア。一家の主たちが働く工場の近くでひとりの黒人売春婦の撲殺死体が発見された翌日、コミュニティの一員であるひとりの若い白人女性の行方が判らなくなる。二つの事件は、この町の誰かによるものなのか。
それぞれ嘘と秘密を抱える三人の主婦を主役に、頻繁に視点を切り替えて、彼女らの悩みと願いを淡々のされど深く描写することで、作者はアメリカンドリームの向こう側を見せつける。「人生は二度ともとには戻らない」という述懐が澱のように残り、じっくりと読ませる。

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