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ミステリの祭典

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雪山書店と嘘つきな死体
クリスティ書店の事件簿

作家 アン・クレア
出版日2024年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/10/15 22:47登録)
(ネタバレなしです) アメリカの女性作家アン・クレアが2022年に発表したクリスティ書店の事件簿シリーズ第1作のコージー派の本格派推理小説です。創元推理文庫版では本書で小説家デビューと紹介されていますがこれはアン・クレア名義に限った話で、別名義で2015年から何作かのミステリーを出版しています。血縁関係があるかは不明ながら偉大なるアガサ・クリスティを親族同然に愛してやまないエリー・クリスティを主人公とし、クリスティ一族が経営する書店の看板猫の名前がアガサと確信犯的にアガサ・クリスティを意識した作品です。但し謎の盛り上げ方には不満があり、失踪した人物(容疑者でもありますが)の行方を追いかけたり、無実の人間(とエリーが思っている)が罪を着せられそうになっているのを助けようとしたりと脇道にそれるとまでは言わないまでも犯人当てプロットとしては少し冗長に感じます。分量が500ページもあるし人物関係も複雑で誰が誰だか何度も登場人物リストをチェックしました。終盤の解決場面はなかなか劇的で、ミスリードの手法に技巧を感じさせます。

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