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ミステリの祭典

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創星記

作家 川又千秋
出版日1985年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2024/07/18 11:39登録)
 本作の大部分(終章以外)は “宇宙時代の金星を神話の世界に構築し直す為の手続き” であって、実は『創星記前史』とでも呼ぶべきものではないか。芋虫が蝶に変わる際、蛹の中で一度ドロドロになると言う。それがコレ。
 スケールの大きな骨格には惚れ惚れするが、間を埋めて動かす筋肉たるべき文章が意外に通俗的。それ故に読み易くもあるので一概に非難は出来ないが、もう少し味わいが欲しいと私は思った。
 “無計画に増築されて迷宮状になってしまった衛星基地” と言う非常に魅力的なガジェットが、あまり生かされていないので勿体無い。確かにそこは本題じゃないんだけどさ。

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