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ミステリの祭典

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フェイク・インフルエンサー

作家 白鳥あずさ
出版日2021年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2024/07/08 13:22登録)
五人組のガールズバンドのメインボーカル・大家叶多。彼女は集客のためにSNSを巧みに利用していたが、ある日、限られた人間しか知らないはずの隠したい過去をネットで何者かに暴露されてしまう。
情報をリークした犯人を探るうちに、疑心暗鬼でぎごちなくなる仲間たちとの関係性。そんな中、突然バンドメンバーの一人が殺害される事件が起きてしまう。だが、皮肉なことにその騒ぎのせいで、バンドの注目度は高まっていく。
主人公はSNSによって事件に巻き込まれ、運転士である彼女の父親は、電車の事故によって運命を狂わされる。その二つの事件がこの小説の重要なポイントになっている。
誰も意識しないうちに日常に自然と溶け込んでいるものが、事件をきっかけに表層に浮かび上がる。その時、見慣れた穏やかなものに、実は暴力装置の側面があることに気づかされる。

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