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ミステリの祭典

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流れる砂
私立探偵畝原

作家 東直己
出版日1999年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2024/07/07 23:21登録)
私立探偵畝原(うねはら)浩一シリーズ長編第2作です。第1作『渇き』はふざけたようなシーンで始まっていましたが、本作は冒頭衝撃的な事件が起こります。56歳の父親が息子に一方的な暴力をふるった挙句、無理心中をするのです。その後、どうしてそうなるに至ったかを描いた後、事件は畝原が引き受けた別件とも関連を持ち、思わぬ方向に発展し、公務員が何人も関係してくる大掛かりな結末を迎えます。意外な人物が悪役の仲間だったことも判明するのですが、それが事件解決の糸口になるものの、今一つすっきりできませんでした。
娘の冴香や、畝原とつきあっているデザイナー姉川明美(「酒井和歌子に生き写しだ」そうです)も登場し、最後の方では事件に巻き込まれることになります。とは言え、姉川明美とその娘真由が関係する最後の事件は肩すかしで、むしろない方がよかったかなと思えました。

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