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ミステリの祭典

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誘拐の季節

作家 西村京太郎
出版日2016年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 E-BANKER
(2024/07/05 13:39登録)
まだまだ未読がたくさん残ってる?と思われる、作者の短編作品。
本作は昭和40年代に雑誌に発表された短編作品をまとめ、双葉社が編んだ作品集。
2004年に新書版が発表されている。

①「誘拐の季節」=人気女優が誘拐された! しかし、誘拐犯と思われる四人の男たちが次々に殺害されていく・・・。まあこの手の話によくあるカラクリですな・・・
②「女が消えた」=新興宗教が広まる田舎の町で忽然と消えたひとりの若い女性。町中の人に尋ねても誰も知らないという・・・古臭いプロットではある。あと、どうしようもない昭和臭
③「拾った女」=現代なら総スカンされそうなタイトルである。モテない男がなぜか美女にモテてしまう。そう、当然ウラがあるわけで・・・そういう話です。
④「女をさがせ」=モテない男がなぜか美女にモテてしまう。そう、当然ウラがあるわけで・・・そういう話です。アッ!③と被ってしまった! でもそうなんです。
⑤「失踪計画」=いくら何でも安易すぎるだろ! こんなユルユルの計画!ということで、最後にはアッサリと捕まってしまいます。アーメン。
⑥「血の挑戦」=ラストはタイトルからも想像がつくとおり、ハメット風のハードボイルド作品。ただし、いかにも生煮えで中途半端な最期を迎えてしまう展開で・・・

以上6編。
今回の作品集はライト級。凝ったプロットなんてものは殆どなし。
まあそれも仕方ない。なんせ掲載誌をみると、ひと昔もふた昔も前のグラビアメインの三流?雑誌ばかり。
さすがの若き日の西村御大とはいえ、何でもかんでも全力投球というわけにはいかんでしょう、と勝手に推測して納得した次第。
多分、御大ならこの程度の作品、一日で何作も書いていたんではないか?
(個人的ベストは、作者の嗜好の片鱗が伺える⑥かな)

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