あさとほ |
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作家 | 新名智 |
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出版日 | 2022年07月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | 虫暮部 | |
(2024/12/20 13:02登録) こういう話を当事者の一人称で書くのには長所も難しさもあるだろうが、境界線がふっと見えたり消えたりする揺らぎを繊細な言葉に落とし込んだ本作は健闘しており、最後まで底が読めずに楽しめた。 日本人なら誰でも知っている「あさとほ」が無名の散佚物語であると言う大胆な世界改変には苦笑。それに説得力を持たせる為に、架空の古典作品を色々挙げてもっともらしい論考まで捏造しており、感心させられた。 |
No.1 | 5点 | ROM大臣 | |
(2024/07/01 15:22登録) 指導教授の突然の失踪に動揺する女子学生は、以前にも同様の事件が起こっていたことを知る。二つの事件の共通点を探るうち「あさとほ」と呼ばれる、怪しい経緯で写本が発見された平家物語の存在が浮かび上がる。 伝播してきた物語が読む者、関わる者に怪事を引き起こすという、いかにも怪談らしい展開はSF的ともいえる「生態」に転じ、物語と世界の関係を提示する。 謎を追う主人公の動機に切実性を与える設定から生まれるドラマは、いささか型通りだが実はその型通りであること自体に意味あるという企みをはらんだ物語。 |