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ミステリの祭典

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サイコハウス
「サイコ」三部作

作家 ロバート・ブロック
出版日1992年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2024/06/30 18:53登録)
(ネタバレなし)
 アメリカの中西部にある、地方の町フェアヴィル。そこではおよそ30年前にとある異常な殺人事件が起きた。そして現在、土地の実業家オットー(ファッツオ)・レムズバーグがその惨劇の場を観光用の名所として再現しようとしていた。だがそこでまたも生じた、陰惨な殺人。シカゴ出身の27歳の女流フリーライター、エミイ(アメリア)・ヘインズは過去の事件のドキュメント執筆の取材のため、フェアヴィルに足を向けていたが。

 1990年のアメリカ作品。作者ブロックによる「サイコ」三部作の最終編。
 絶対に、順番通りに読んでください。

 数年前に読んだ『サイコ2』(これも先に前作・第1作目を必読のこと)がなかなか面白かったので、これも結構イケるんじゃないか、そろそろ読んでみるかと手に取った。

 とはいえ今回は、バランスの良いさじ加減で変化球ぎみだった前作『サイコ2』に比べ、最後までフーダニットの謎をメインに引っ張る、良くも悪くもフツーのミステリっぽい。
 
 かの殺人者のレジェント譚や現役の悪魔研究家など、ブロックらしい泥臭い外連味が盛り込まれているのはいいのだが、一方でこちらとしては、こんなメジャーブランドのショッカーホラー系ミステリシリーズならソレくらいは当然出て来るだろう、と想定内だったせいか、いまひとつ高揚しない。こっちが仕事疲れだったことも影響してるのかもしれないが、夜中に読んでてうっすら眠くなった(汗)。

 で、真犯人の正体もこれはこれで真っ当というか、作者は工夫して考えていたのかもしれないが、情報の大きな一部が後出しすぎてどうもしっくりこない。<その文芸設定>をそのまま別キャラにスライドすれば、他の登場人物が犯人でもいいよね? これ?
 
 もしかすると実は三本のなかでいちばんまとまりはよいのかもしれないけれど、一方で、個人的にはいちばん楽しめなかった(汗・涙)。
 読後にTwitter(現Ⅹ)などで先に読んだ方の感想を伺うと、『2』同様にこれ(『サイコハウス』)も面白い、という声もチラホラ。微妙な相性の問題もあるかもしれない?
 気になる人はご自分で読んで確かめてください。
 ただしシリーズ全三冊、絶対に最初から読むように(念)。

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