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ミステリの祭典

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バラバラ屋敷の怪談
怪談作家・呻木叫子の事件簿

作家 大島清昭
出版日2024年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2024/08/31 22:19登録)
民俗学のフィードワークの手法を用いて、取材を元に怪談を執筆してる呻木叶子が遭遇する四つの事件。八人の女性が犠牲になったバラバラ殺人の現場周辺で目撃される四体の幽霊の謎と、現場の屋敷で新たに発生した密室殺人を呻木が解き明す表題作ほか、博物館で目撃される少女の霊の来歴を探るうちに、思わぬ不可能犯罪に行き当たる「青いワンピースの怪談」など、第17回ミステリーズ!新人賞受賞作『影踏亭の怪談』の新鋭による恐怖と驚愕の連作集。
Amazon内容紹介より。

最初の表題作を読み終えた時点では8点かも、と思いました。まず、怪談と本格ミステリとの融合が素晴らしく、そのバランスも絶妙で思わず唸らされました。何しろ終盤では衝撃の連続に打ちのめされましたからね。
しかし、二作目のトリックはなかなか目の付け所が良かったものの、全体的には一作目には到底及ばないし、三作目は少し目先を変えているがトリックはショボい。私のテンションは次第に下がっていったのでした。

それを最も異色の最終話で盛り返し、何とか7点を確保した感じです。それぞれの短編にはある共通点があり、連作短編集の良さを引き出しています。勿論各作品の出来不出来の差は何ともしようがありませんが。
読むごとに作者の顔が変わって見える様な、一体この人の本当の実力はどの辺りにあるのか、どれが本物なのかとの疑問が湧き上がってくる私なのでした。

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