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ミステリの祭典

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古本屋探偵登場: 古本屋探偵の事件簿
古本屋探偵須藤康平シリーズ(創元推理文庫版)

作家 紀田順一郎
出版日2023年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/06/01 23:03登録)
(ネタバレなしです) 紀田順一郎(1934年生まれ)は評論家として名高く、1960年代から2010年代の長きに渡って活躍していますが数は多くないながらミステリー小説も書いています。代表作とされるのが長編1作と中編3作が書かれた須藤康平シリーズの本格派推理小説です。須藤は神保町で古書店を営みながら古本を探す依頼を引き受ける探偵という設定です。私が読んだ本書はシリーズ中編3作を収めた創元推理文庫版(2023年)で、同じタイトルの文春文庫版(1985年)は「殺意の収集」(1982年)と「書鬼」(1982年)の2作のみですのでご注意を。シリーズ最初の作品である「殺意の収集」は当初は非ミステリー作品として着手されたそうですが、消えた珍本の謎解きに挑んだ1番本格派らしいプロットの作品です。しかし古書界や愛書家心理をたっぷり描いたという点で「書鬼」と「無用の人」(1983年)の方がより作品個性を発揮しているように思います。

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