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ミステリの祭典

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スーツケースの半分は

作家 近藤史恵
出版日2015年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ことは
(2024/05/26 00:51登録)
ミステリではないですが、ミステリ系の作者なので、それも含めての情報連携としての登録ということで。採点はミステリでないことは考慮しないで。
スーツケースと、それを取り巻く人たちを描く、連作短編集。初出は雑誌連載だったのか、全部30ページ強で統一されている。
30ページ強の中で、旅先のイメージを感じさせ、主人公のキャラクターを過不足なく描写し、ラストは主人公の思いに焦点をあてて締める。うまいなぁ。
例えば、キャラクター描写はこんな感じ。
夕方に電話をかけてきて、
「ねえ、ヒマ?」
「ヒマじゃない。掃除してるけどなに?」
「ベルギービールフェスティバルっていうのをやってるの見つけたんだけど、行かないかなと思って」
「いく」
ふたりのキャラクターと関係性が、短いやりとりでわかる。うまい。
最後の話は、きっちりタイトルに寄り添わせて、本の最後もきっちり締める。
うん、職人技です。堪能しました。

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