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ミステリの祭典

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冥土行進曲
狂人は笑う・縊死体・難船小僧・焦点を合わせる・斜坑・幽霊と推進機・爆弾太平記・冥土行進曲

作家 夢野久作
出版日2023年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 みりん
(2024/05/08 19:49登録)
夢野久作が1932〜1934年に発表した短編が8編収録。未読の6編の感想を。

狂人は笑う 5点
「青いネクタイ」と「崑崙茶」の2つ 
相変わらず狂人の解像度が高いですね。

縊死体 5点

焦点を合わせる 6点
スパイ小説。正直騙し合いが複雑すぎてよく分からなかったので、再読してようやく掴めた。痛快なラストに至るまでの前フリも結構面白い。

斜坑 6点
スカッとしますね。にしても、三津田信三『黒面の狐』もそうだが、炭坑って薄暗いのに小説だとやけに映えるね。もっとこの舞台を採用した方が良いのでは?

爆弾太平記 7点
舞台は韓国併合時の釜山周辺の島。
爆弾漁業とはその名の通り爆弾を水中で破裂させ、水面に浮かび上がった魚を狩る方法。この方法は生態系の破壊を招き、結果的に不作に陥るという不正漁業。実際にこういう漁業が横行していたとは知らなかったので、勉強になりました(日本史で習うのかな?) 轟雷雄は50万の漁民の思いを背負い、不正漁業を取り締まるべく行動を起こします。結果的には9名の死者を出す大事件へと発展するのですが、不正漁業の裏で密かに行われていた権力者達の悪辣極まる趣味が暴かれるのでした。轟雷雄視点の独白体形式で冒険譚のような形で語られますが、こういうのを書かせたらやはり抜群に面白い。

冥土行進曲 6点
ベタな復讐物語かと思いきやドタバタ・ギャング・サスペンスが始まり、そしていつもの幻想風味が香ってきたところでめでたしめでたしオチ。タイトルに反して軽いお話

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