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ミステリの祭典

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震える天秤

作家 染井為人
出版日2019年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 makomako
(2024/05/05 08:56登録)
染井氏の作品は二度目ですが、これもかなり社会派的要素が強いお話でした。
高齢者のお運転するトラックがコンビニに突っ込みコンビニの店長が死亡する。加害者は認知症とされているが、本当のところはわからない。
ライターの主人公がこの事件を取材すると、実に意外なことが次々と判明してくる。
被害者はとんでもない奴で、その父親も実にいやなやつ。
加害者やその弁護士はなかなか本当のことを語ってくれない。
調べていくと埜ヶ谷村という孤立した村の関係者が何らかの関係があることがわかるが、この村の人達はみんな何かを隠している。
この謎がなかなか解けずに主人公は苦労するのですが、とにかく被害者たちがとても嫌な感じで、何か隠しているらしい村の人たちは善良な人たちのようだ。
真相が明らかになるにつれちょっとやりきれない感じがするが、主人公の元奥さんが裁判官で、これがユーモラスなのが救い。
嫌味な被害者が出てくる作品は好みではないのですが、これはひきつけられて最後まで一気に読みました。
こういった作品が非常に好きな方もきっとおられると思いますが、私はまあこんな評価です。

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