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ミステリの祭典

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傷モノの花嫁

作家 友麻碧
出版日2023年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2024/05/04 05:08登録)
(ネタバレなし)
 人間と異形の存在・あやかしが対立し、ときに共存する異世界。「大和皇國」の五大名家、その一角である白蓮寺家の血筋である「私こと」17歳の娘・菜々緒は本来なら、本家の嫡子である若君・麗人の正妻になるはずが、数年前のさる事情からその立場を奪われ、いまは仮面をつけて下女まがいの扱いを受けていた。だが五大名家内で上格の現当主で26歳の青年、紅椿夜行がそんな菜々美を妻に迎える。だが夜行には、さる秘密があった。

 作者の原作で大ヒットしている同名少女漫画、その原作をセルフノベライズの形で作者自身が小説化したもの。同じタイガ文庫の「虚構推理」シリーズなどと同様のパターンである。

 年下の友人が面白い、これはイイです、と貸してくれたので一読。明後日(正確には明日)その友人と顔を合わせるので、そのときに返そうと思い、今夜、読んだ。アマゾンで250以上の星マーク評価がついている人気作品だが、お話は異世界時代もの(近代もの)版「シンデレラ」にして「(中略)」。
 序盤は菜々緒の一人称で始まったのち、途中で視点を変えて別の登場人物たちの一人称になり、変化のある叙述で読み手を飽きさせないのは結構な工夫だが、それならそれで菜々緒=「私」、麗人=「俺」、ほかの女性=「わたし」とか表記を分けてほしかった。
 あと後半、ちょっと重要なサブキャラが出てきて片目に眼帯をつけてるそうだが、どっちの目か叙述してないのもいいんかいな? と思ったり。

 小説としては結構ラフで、もう少し整わせる余地も見やるが、途中からの良い意味での大衆小説的なお話の作りは、それはそれでまあ良いということで。
 まああまり小説を読んだことがない若い世代にウケてるのかな? とも思う。評価は6点……じゃちょっと甘いな。まあ不満は特にないが、ホメるところも(個人的には)そんなにないので、こんなところで。

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