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ミステリの祭典

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猟奇文学館3 人肉嗜食
七北数人 編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2001年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2024/05/02 14:30登録)
 このアンソロジーには陥穽があった。
 普通に読めばサプライズになる筈の “人肉嗜食” と言う要素が、本書では前提事項になってしまうのだ。インフレ状態しかも半分ネタバレしているようなもの。故に以下タイトルは伏せる。とは言え、こうやって纏められなければ手に取る機会の無かった作品もあるので痛し痒しである。

 江戸川乱歩の猟奇短編みたいで、食った後に一捻り加えた村山槐多はシンプルながらインパクト大。高橋克彦は怖いけど “いい話” で感動。山田正紀の名品が加筆訂正版で収録されていることも重要だ。“実話” と言う箔付けを除くと牧逸馬は今一つ。
 美味しそうに描いている双璧は中島敦と生島治郎。
 ところで、人も牛のように熟成させた方が美味いのではないかと思う。その点で、墓を暴いて得た肉に舌鼓を打つ描写には納得。
 厳密を期すなら人間でないものも混ざっている、と揚げ足を取ったりして……。

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