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ミステリの祭典

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任侠楽団
任侠シリーズ

作家 今野敏
出版日2022年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2024/04/15 21:22登録)
 阿岐本組組長・阿岐本雄蔵は、義理人情に厚く、域内の困りごとに一肌脱ぐのが大好き。代貸の日村はそんな親分に振り回される日々。今回は、公演間近のオーケストラが、内紛によって分裂の危機!? コンサルティング会社の社員を装って楽団に潜入した阿岐本組の面々だったが、そんな矢先に指揮者が襲撃される事件が発生し…!

 今回は、傷害事件も発生し、その犯人を明らかにするというフーダニットも含んでおり、シリーズ作の中ではなかなかミステリっぽい。「誰が犯人か」を推察していく過程で、登場人物一人一人の人柄が明らかになっていくので、シリーズの面白さをうまくミステリに絡めていると思う。
 とはいえ、真犯人の見当は前半早々につき、もののみごとにそのとおりだったので、謎解きそのものは作品の魅力のメインではない。組長・阿岐本の豪放さと人情、振り回される体であっても結局そんなオヤジを敬う日村、それぞれのシリーズキャラクターが存分にらしさを発揮して、ハートフルなストーリーに帰結するシリーズの魅力は変わらず。

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