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ミステリの祭典

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空を飛ぶパラソル

作家 夢野久作
出版日2021年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 みりん
(2024/04/14 19:19登録)
収録作は『空を飛ぶパラソル』『いなか、の、じけん』『復讐』『ココナットの実』『怪夢』『キチガイ地獄』『老巡査』『白菊』からなる8編。怪作『白菊』は読むたびに評価が上がる。未読の5編を書評。

空を飛ぶパラソル 6点
米澤穂信『王とサーカス』の先取りで、ジャーナリズムへの警鐘。2編を通して主人公がまるで成長していないというナンセンスユーモア(?)も夢Qっぽくてイイ。
『死後の恋』に通ずるような猟奇描写もあり
"その途中の処々に鶏の肺臓みたようなものが、ギラギラと太陽の光を反射しているのは脳味噌であろうか" 角川文庫p10より

復讐 7点
予想がつくベタなオチだがそこに至るまでの過程がかなり面白い。この時代の精神病の扱いについて再認識できる。

ココナットの実 4点
エラ子がかわいい。萌える。

キチガイ地獄 8点
お得意の独白体。とある男のドラマティックな半世だけでも楽しめるし、狂気を感じさせつつ少し笑ってしまうようなオチも秀逸。途中で「誰もさわれない〜♪ 2人だけの国〜♪」という歌詞が頭の中で流れた。これが1番!

老巡査 4点
夢Qにしては超平凡なお話。うだつの上がらない老巡査のサクセスストーリーです。

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