home

ミステリの祭典

login
人鳥クインテット
文庫化に際し『ペンギン殺人事件』に改題

作家 青本雪平
出版日2020年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/04/05 22:51登録)
ある日、祖父がフンボルトペンギンになった。この事態をすんなりと受け入れた柊也は、ペンギンになった祖父の世話をすることに。身寄りはなく、その上引きこもりの柊也。誰にも相談できないまま、一人と一羽の閉じられた世界は平穏に続いて行く。しかし、ある女性との出会いをきっかけに、日々に亀裂が入り始めて……。庭に埋めたスーツケース、いなくなった人。柊也の周りで事件は起きる。
Amazon内容紹介より。

読了後、?が頭の中で乱舞し、ネタバレ検索したところ、これといった謎を解いてくれる投稿がありませんでした。特に読書メーターに期待したのですが、結局参考になりそうな意見は一つきりで、多くの投稿者がモヤモヤしたとの感想を述べており、私も激しく同意しています。謎そのものもそうですが、何だかよく分からない(特にラスト)終わり方で、どうにもスッキリしません。

しかし、ある日突然祖父がペンギンに変身していたという、非常事態にもかかわらず、主人公の柊也は特に動揺する事もなくこの事実を受け入れる事に決めるのもある意味不思議ではあります。何故ペンギンになったのか・・・それ以降更なる事件が次々と起こり、全ての謎に決着を付けられるものがあるとすれば、それは作者の頭の中にだけかも知れません。読者はあの人はもしかしてとか、あの描写の意味はこういう事だったのかもと想像するしかなく、結論は出ない作品なのでしょうね。

1レコード表示中です 書評