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ミステリの祭典

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主な登場人物

作家 清水義範
出版日1991年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2024/04/03 22:55登録)
チャンドラーのか・の・名・作・の“主な登場人物”表から、ストーリーを想像するとこうなる!? 清水風『さらば愛しき女よ』乞う御期待!! 表題作の他十五編。最初から最後まで笑いの世界。
Amazon内容紹介より。

表題作は上記の様に、未読の『さらば愛しき女よ』の主な登場人物を見て、誰がどんな役目をするのかとか、どんな人物なのかを推測し勝手にストーリーを作り出そうというもので、エッセイなのか何なのかよく分からない感じの短編。こんな事考えるのは清水義範を置いて他にいないのではないかと思います。変な人です。他にも実験的な小説風の何かを、例えば架空の事件を様々な人物がそれぞれの立場から意見する、みたいなのもあります。勿論普通の短編が殆どですが、だからどうしたんだと言いたくなる様な作品が多く、清水ワールドが炸裂しています。

私の一押しは操お祖母ちゃんがビデオの録画に挑戦する『ビデオ録画入門』です。一人で留守番する操お祖母ちゃんが孫の智に頼まれて、外国人歌手の音楽番組を録画するというもので、「むつかしいことは無理だよ」と言いながら、デッキが爆発するのではないかと心配したりするおばあちゃんが凄く可愛くて、大爆笑必至です。今ではスマホを高齢者が操る時代なので、そんなの簡単じゃないかと考えるのは野暮というもの。当時としてはビデオデッキのリモコンすら難しいと感じる高齢者が殆どだった時代だったのでしょう。かなり昔ですね。
まあそんな感じで緩い短編が多くて低刺激なんですが、独自の世界観を押し出しているのは確かです。

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