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ミステリの祭典

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死体消失
女鑑識官 洋子シリーズ

作家 草野唯雄
出版日2006年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2024/04/03 10:05登録)
1995年文庫書下ろし作品。
本格風味、トラベルミステリー風味付きサスペンス。

主婦・小林房子は中盤まで、東京、山形、蔵王で謎の人物に襲われ続ける。狙いは何か?
この中盤までのサスペンスはスムーズすぎる流れで、じつに読みやすい。いや、読み応えなしといったほうがいいかも。
捜査するのは、鑑識官・洋子をはじめとする刑事たち。彼女たちの捜査は、つまずきはあるも総じてスムーズだった。
ただのサスペンスということはないだろうと思って、乗せられて一気に読んだが…

読み始めの自身の推理は外れてはいなかった。でも、外れていたほうがよかったような気もする。
最後にもう一発何かあったほうがいいのだろうが、かといってそれも俗っぽさの上塗りになるしなぁ。最後をどんなに工夫しても、この作品には重みなし、感動なしなのだろうなぁ。

とはいえ久しぶりに草野作品を読めたのはよかった。
文庫の表紙はド派手で、今なら電車の中で人前に晒して読むのが恥ずかしくなるような装丁だった。1990年代(平成初期)でもこの種の表紙があったんだ、とちょっと懐かしめたのも、よかった。

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