home

ミステリの祭典

login
Murder at Sea
マシュー・ケルトン

作家 リチャード・コネル
出版日2025年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 弾十六
(2025/05/10 13:17登録)
1929年出版。初出The Elks Magazine 1928-06〜10 (5回連載)。最近Kindleで入手しやすくなりました。
マシュー・ケルトン探偵シリーズ、唯一の長篇。
出版時期から、もしかしてストークス社と新マクルーア誌が開催した賞金$7500(現在価値約2000万円)の探偵小説長篇コンテストに応募した作品では?と思ったが、募集は1928年8月12日あたりが開始時期なので、本作の雑誌連載の方が先。コネルさん、このコンテストのニュースを見て「失敗した!もう少し待てば良かった!」と思ったのでは?
こういう応募できなかった組も、次回のコンテストを期待して探偵小説のアイディアを練り、それが1930年代の探偵小説ブームを呼んだのだろうか(長篇デビューの有名どころ: ディクスン・カー1930、スチュアート・パーマー1931、ロラック1931、ESガードナー1933)。でもまあ不況化で売れそうなのはミステリ分野だった、という理由の方が強いと思います。
さて私が苦手なあらすじ。
第一章は、事件解決のため、ずぶ濡れで捜査したケルトン探偵、お陰で解決に至ったものの風邪をひいちゃいます。それでバミューダへバカンスを目論み、SSペンドラゴン号に乗り込みます。ツテを使って船長とよしみを通じ、気楽な旅が始まった、と思ったら船長から呼び出しが… 人が死んでるのじゃ!どう見ても殺人じゃ!
あとは目次で我慢してくださいね。
第一章 知りたがりの男
第二章 船室Bの悲劇
第三章 骸骨との饗宴
第四章 恐ろしい眼
第五章 再び眼が
第六章 悪魔がうろつく
第七章 追い詰められる
第八章 新たなもつれ
第九章 夜遅くの訪問
第十章 ヴァルガ
第十一章 声
第十二章 誰がやった?
第十三章 死より強いもの
第十四章 有能な船員ゲイブ・フェストの運命
第十五章 ジュリア・ロイドが知ったこと
第十六章 マシュー・ケルトンが知ったこと
第十七章 その後
本格ものとしては手がかりがところどころ隠され、フェアプレイ重視ではありません。怪奇風味ありです。登場人物の掘り下げも弱い。解決もまあまあレベル。残念ながら傑作じゃなかったです…

1レコード表示中です 書評