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ミステリの祭典

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たまご猫

作家 皆川博子
出版日1991年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 糸色女少
(2024/03/28 21:31登録)
表題作では、主人公が有能な姉の不可解な自死の原因を探りつつ、姉の夫や旧友と会話を重ね、その足跡をたどる。
それに象徴されるように作中では、しばしば家族・血族の絆が隠されていたはずの過去を引きずり出し、作品世界に影を落とす。姉と弟、叔母と姪、夫と妻、母と娘、義兄と義妹、どの関係も危うさを孕み、時に切なく美しく、時に醜悪に描かれる。さらには、死さえ絶望ではなく、生を凌駕する希望と化すことも。
どこかほの暗い展開は先が読めず、最後のページに至るまで、ミステリか恐怖小説か幻想譚か判断がつかない。

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