ヴェルサイユ宮の聖殺人 |
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作家 | 宮園ありあ |
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出版日 | 2021年01月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | 空 | |
(2024/05/28 20:25登録) 2020年の第10回アガサ・クリスティー賞で、大賞に次ぐ優秀賞を受賞した作品で、応募時のタイトルは「ミゼレーレ・メイ・デウス」(原綴 “Miserere mei, Deus”)、このラテン語は「神よ、我を憐れみたまえ」の意味で、プロローグとエピローグにはさまれた4章からなる本作の、第4章のタイトルでもあります。 1782年のフランスが舞台。フランス革命が始まるのが1789年で、革命の立役者の1人であるロベスピエールも名前だけですが登場します。そんな絶対王政末期の時代考証の緻密さ、雰囲気は、巻末に6ページにもわたる参考文献一覧を付けているだけあって、たいしたものです。探偵役となるマリー・アメリ―公妃と士官学校教官ジャン=ジャックも魅力的に描かれています。 ただ、殺人現場の密室的状況はあいまいさが残りますし、ダイイング・メッセージについてはそのように書く意味がないという不満はありました。 |