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ミステリの祭典

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犯罪は王侯の楽しみ

作家 カトリーヌ・アルレー
出版日1975年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2024/03/19 08:22登録)
(ネタバレなし)
 近く定年を迎えるスコットランドヤード犯罪捜査局の局長フィッツジェラルド・スコット。その自宅を夜半に訪問したダンディな紳士「ダブル=ダブル」ことウィリアム・ウィスランドは、スコットの21歳になる娘サマンサを誘拐した、これから近日中に起こる強盗事件の捜査に便宜をはかれと言い渡す。それは、資産も社会的地位も、そして貴族の血をひく美貌の妻も、すべてを持つ大富豪ウィスランドが企む、人生の有閑をまぎらわすための、犯罪計画ゲームの幕開けだった。

 1973年のフランス作品。

 設定だけネットで読んで、あれ、この時期(70年代半ば)のアルレーの翻訳は、ほとんど全部新刊で読んでたハズだが、中味に記憶がない? もしかして、これだけ読み漏らしていたかな? と思ってネットで少し前に、古書を入手。
 で、今夜読んだが、最後までつきあって、ああ、やっぱり読んでた! と思い出す(大汗・笑)。

 大筋のプロットは、まったくもってカケラレベルで失念していたが、ラストの悪夢のようなイメージ(あんまり書いちゃいかんか)だけは、さすがに忘れられなかった。ただその描写だけが心象の中できわどく浮いていて、別の長編の最後がそっちかと、半ば勘違いしていた。

 クライムストーリーとしての一本調子に不満を覚える人は多いかもしれないけど、その辺は作者の確信行為であろう。
 シンプルなプロットだからこそ、主流のドラマの脇の某キーパーソンの運用と、そして前述のラストのナイトメアぶりが際立つ。

 同じアルレーなら、同等の時間(2時間ちょっと)使って、別の未読の長編読んだ方が良かったかもしれんけど、この再読は再読で、まあ、意味はあったと思う。アルレーとしては、佳作の上、くらいかね。

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