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ミステリの祭典

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ラザロ・ラザロ

作家 図子慧
出版日1998年04月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2024/03/17 22:23登録)
斑猫(はんみょう)の特別講義の質問時間に、学生が問いかけた。「不老不死を可能にすることはできるのではありませんか」…。"不老不死"の新薬をめぐる、ダークサイドミステリー。
『BOOK』データベースより。

各所で称賛されている本作、端的に言えば冗長。どうでもいい事をダラダラ書いている割りには肝心な事は1%程度しか書かれていません。勿論個人の感想です。一般的な見地から見れば私は圧倒的なマイノリティですが。しかし、若返りの秘薬を巡っての騒動をテーマに据えているのであれば、もっと如何わしい雰囲気や不穏な空気感を前面に押し出すべきだったのではないかと思えてなりません。その辺りの疑問、特に何を意識して描きたかったのかを作者の問うてみたい思いでいっぱいです。

小さめな文字で二段組み、単行本で325頁。とても苦戦しました。早い段階で挫折してしまったほうが良かったのかとも思いました。それでも意地で読破した自分を少しは褒めてあげたい気持ちもあります。
正直どこが良くて絶賛されているのか理解できません。文章が心に響くところがなく、全体的に平板で各人物像にも好感が持てませんでした。ここぞというところでの見せ方が上手くなく、驚けません。無論本格ミステリを期待した訳ではありませんが、サスペンスフルでもなければ医療ミステリでもなく、かと言って冒険小説でもないし、まあさしずめハードボイルドもどきでしょうかね、ジャンル的には。
期待を大きく裏切ってくれた、とんでもない代物でした。他の方の感想も聞いてみたいですが・・・とてもお薦めは出来ませんので何とも、ねえ。

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