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ミステリの祭典

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幽霊を信じますか? ロバート・アーサー自選傑作集

作家 ロバート・アーサー
出版日2024年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2024/06/01 05:20登録)
(ネタバレなし)
 1963年に本国で刊行された、作者の自薦作品集らしい短編集。
 広義のミステリながら非スーパーナチュラルの作品ばかり集めた昨年の翻訳短編集『ガラスの橋』とは違い、今回は全編がホラーかファンタジーに分類されるようなそういう系列の短編ばかり、全10本を集めてある。

 一本一本の感想は割愛するが、大づかみに言うなら星新一が長めの短編をよく書いていた頃の味わいのクセのある話が集められている。
 個人的なベストは、オーソドックスな幽霊屋敷ネタのショッカーである表題作、あるいは藤子・F・先生の読み切り短編漫画みたいなオチを迎える「頑固なオーティス伯父さん」あたりか。冒頭の「見えない足跡」のラジオドラマ向きの怖さとテンションもなかなか。「デクスター氏のドラゴン」の話の転がり具合もよい。

 トータルでは、物語の読書の楽しみを嗜み始めた世代の若い読者が面白がればそれでいい、という感じの一冊。

『ガラスの橋』まんまの広義のミステリを集めた上でのアベレージの高さみたいなのをもう一冊期待すると、いろんな意味で困るけど、これはこれで楽しい短編集だったのは間違いない。

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