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ミステリの祭典

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恐怖

作家 筒井康隆
出版日2001年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2024/02/22 13:38登録)
 もはや何を書いてもストレートな読み方はされない自己のポジションを前提に、読者がひねくれた読み方を出来るような作品を書く、或る種の共犯関係に基づいた、ミステリのようでミステリにならない物語。
 謎解きと言う程のものは無い。過去の優れた短編と比較して “恐怖” の表現が深化したとも思えない(タイトルで損してない?)。ドタバタを平熱の文章で描くのはこの人の持ちネタであって、筒井作品群の中では小粒な一作だと感じる。
 とは言え、刑事の転倒は何度読んでも笑ってしまうし、あの一場面だけでも価値があるのだ。

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