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ミステリの祭典

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或るスペイン岬の謎
南美希風/柄刀一版「国名シリーズ」

作家 柄刀一
出版日2023年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2026/01/17 10:59登録)
 芸術大学の学園祭中に、密室で殺されていた女教授(或るチャイナ橙の謎)。1年前に、何者かに殺されかかった少女。だが、犯行時の記憶が喪失し、犯人はわからないままに(或るスペイン岬の謎)。俗世と離れて、穏やかに暮らしていた老詩人。共に過ごしていた女性が、密室で絞殺される(或るニッポン樫鳥の謎)。
 作者の真骨頂・不可能犯罪の解明に、南美希風がエリザベス・キッドリッジと共に挑む。




 昨今ではもはや稀有ともいえる、「不可能犯罪の物理的なトリック解明」を主眼にした中短編集。小道具等を使って密室状況を作るなんて・・・海外古典からの伝統のよう。だからこそ、クイーンの国名シリーズを模したタイトルなのか。(作者は、ペンネームの由来でもあるようにディクスン・カー崇拝者のはずだが)
 というわけで非常に原理的なパズラーで、真犯人を推理しながら楽しく読める。ただ不満なのは、殺害現場の見取り図や建物の配置図など、全体像を示す図時はあるものの、肝心なトリックの説明に関してはすべて文の説明で、「それこそ図でも示してほしい!」と思った。「或るチャイナ橙の謎」の物理的トリックなどは、言葉で説明されても画像が浮かばずもやもやした。
 3編目「或るニッポン樫鳥の謎」のトリックは、本作の中でも秀逸に感じられた。

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