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ミステリの祭典

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琉璃玉の耳輪
原案 尾崎翠

作家 津原泰水
出版日2010年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2024/01/27 12:30登録)
 謎解きよりも数奇な運命と活劇がメインの江戸川乱歩系探偵小説。登場人物達の錯綜した動きはなかなか歯応えがある。
 原案(1927年、公募に落選した映画脚本の草稿)も併読。割と雑な展開をどうにかまとめる為に津原泰水は大胆に改変した。加えたネタの中には尾崎翠「第七官界彷徨」他を髣髴させるものもあったりして、“原案を小説化” と言う状況を巧みに遊んでいる。
 もともときっちり平仄を合わせないまま終わらせることの多い津原が、今回は立場上伏線回収に勤しんでいるのが可笑しい。追加部分で言えば、久々に再登場した木助があっという間にああなってしまうのは切なかった。

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