| ジェンダー・クライム |
|---|
| 作家 | 天童荒太 |
|---|---|
| 出版日 | 2024年01月 |
| 平均点 | 8.00点 |
| 書評数 | 2人 |
| No.2 | 8点 | take5 | |
|
(2026/08/04 15:24登録) 単なる犯人探しにとどまらず、DV、 痴漢、児童虐待、女性を狙う無差別 暴力、そして私達に潜む、無意識の 女性蔑視や性差別などのジェンダー に起因する犯罪を広く描いています。 ジェンダー・クライムに対する作者 天童荒太の思いがビシビシ伝わって 1章で主人公鞍岡が自らのバイアスを 認知するくだりは、同時に読み手の バイアスを教え諭す導入の章でした。 フーダニットはそれほど驚きはない その分、最終盤に明かされるバディ 志波の有り様が強く心に残りました。 |
|||
| No.1 | 8点 | HORNET | |
|
(2024/01/22 23:50登録) 土手下に転がされていた男性の遺体。遺体には、性的暴行の痕が残るうえに、あるメッセージが残されていた―「目には目を」。なんと被害男性の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった。これは、3年前の事件の復讐なのか?八王子署刑事課・鞍岡警部補は、いけ好かない捜査一課の志波刑事と共に事件捜査に乗り出す。 女性蔑視をテーマとした作品名ではあるが、良い意味で、その色が作品全体を覆っているというほどではなく、ミステリとしての魅力が十分充溢していた。 レイプ被害に遭った娘と、その家族の苦悩だけではなく、狭いヒエラルキーの中で罪に加担してしまった加害少年の後悔も同時に描かれ、そのことが最終的に両者の奇妙な関係を生んでいくというストーリーが強引でなく上手く組み立てられており、心を動かされるものがあった。 同時に進行する鞍岡警部補と志波刑事の物語も面白く、作品に厚みを持たせている。そのうえで、最後には冒頭の事件の真犯人が意外な側面から明らかにされるなど、丁寧な構成がきちんとミステリとして組み立てられており、満足できる一冊だった。 |
|||