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ミステリの祭典

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乳房のない死体

作家 山村美紗
出版日1984年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/01/07 22:23登録)
胸をえぐりとられた人妻の水死体!乳房に隠された秘密とは何か?被害者は31歳の人妻だった…。犯罪の陰にひそむ情事を官能的なタッチで描く表題作。単行本未収録オリジナル。
Amazon内容紹介より。

表題作は狩矢警部が登場する、本格ミステリと言って良いと思います。他の六作は官能小説まがいの結構濃厚な描写が特徴的な、サスペンスや倒叙物ですね。どれも男女の愛憎蠢く錯綜し、歪んだ愛の形をテーマとしています。犯人は全て女性で、終始犯人目線で描かれています。仕掛けがすぐに判るのもあれば、ああそうだったのかと驚かされるものもありますが、読んでいて飽きることの無い水準は満たしていると思います。

しかし、似たようなトーンの作品が続く為、読み終わってもどれがどれだったか判然としない様な感覚を覚えました。お得意のトリックはなりを潜め、専ら叙述で読ませる短編が多く、殺人方法も地味ではあります。まあ佳作揃いではないでしょうか。

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