home

ミステリの祭典

login
プロヴァンス邸の殺人
ミス・アシュフォード

作家 ヴィヴィアン・コンロイ
出版日2024年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/03/09 01:14登録)
(ネタバレなしです) 米国のヴィヴィアン・コンロイは2010年代後半にデビューしてコージー派ミステリーのシリーズを次々に発表しており(別名義でロマンス小説も書いています)、2022年発表の本書は(多分)8番目のシリーズの第1作です。作中時代は1930年代、主人公のアタランテ・アシュフォードは貴族で大富豪である亡き祖父の遺産相続の条件として祖父の「私立探偵」の仕事を引き継ぐことになります。最初の依頼人は伯爵と婚約中の令嬢で、彼女は伯爵の最初の妻の死は事故死でないという匿名の手紙を受け取っていました。プロヴァンスにある伯爵家の領地で見つかる身元不明の男の死体という事件も発生しますが、アタランテの任務は手紙の書き手を突き止めて依頼人の不安を払拭することなのでミステリーとしてはいまいち盛り上がらないプロットです。それでも終盤に向けてサスペンスを増やしながら24章ではアタランテが凶悪犯罪の真相を明快に説明します。但しどういう推理で真相にたどりついたかの過程については説明不足なのは残念です。人物描写は非常に丁寧です。

1レコード表示中です 書評