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ミステリの祭典

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探偵くんと鋭い山田さん2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる
戸村和&山田姉妹

作家 玩具堂
出版日2020年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2024/01/02 13:31登録)
(ネタバレなし)
 コミケの一日目に行く車中で読み始めて、年越しで読了。
 
 ネットゲーム仲間のなかに潜む匿名のキーパーソンを探す話
 新任女性教師が学生時代に盗まれた文芸活動の原稿、その行方を推理する話
 謎の自殺志願者? を捜す話
 ……と三本の事件を収録。

 作者自身はそれなりに練り込んだ内容に自負があるようで、実際に、意外な動機が浮かび上がる第2話など、なかなかよく出来てるとは思うが、一方で前巻の第2話のようなハッタリの効いた外連味編がないため、どうしても全体的に地味な印象である。

 かたや主人公トリオのラブコメ模様と青春ストーリーの方はさらにくっきりしていき、そっちの方では面白かった。

 2020年に同一シリーズの新刊が二冊出て、その後、音沙汰無し。
 さらに作者は、ちょっとだけ違う別名義「久青玩具堂」の方で昨年、違う路線の青春謎解きミステリを始めちゃったから、こっちの方はもう出ないんだろうな?
 主人公トリオの日常描写として、今回の最後にちょっとまとめっぽい雰囲気がないでもないので、ここで終わってもまあいいが、単純にもうちょっとこの三人に付き合いたかった(特に雪音と)。
 もしよかったら、いつかまたシリーズを再開してください。こういうものがこの巻数の時点でいったん休止すると、復活は難しいだろうとも思うけれど。

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