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ミステリの祭典

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冷たい死
ソーンダイク博士

作家 R・オースティン・フリーマン
出版日2013年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 弾十六
(2025/03/03 09:47登録)
1937年出版。Kindle訳は私家版。
検査官(inspector)、チャンバー(chamber)とか、変な訳語が時々出てきて、原文が透けて見えるような直訳調。でも意外と読むのにストレスがあまりない日本語になっている(平明な文章のフリーマンだからだろう)。小説の文章としてはメリハリの付け方が不十分だが… 夫が英国人のようで、英国の風習や制度などにも誤解は無さそう。これが初めての翻訳らしいけど、訳者は翻訳ミステリの読者ではなかったのでは?(inspectorを知らないからねえ…) この翻訳者のソーンダイクものは、変に工夫したタイトルが多いけど直訳のタイトルにして欲しいなあ。今回の場合は米版Death at the Innという代案もある。まあどっちもパッとしないタイトルになっちゃいそうだが… (『自殺か?』『インにて死す』)
まだ細かく分析してないけど、私は結構楽しめました。なにせこの小説、インクエストの情報が豊富なんですよ。Felo de Seという用語もインクエスト用語と言って良いだろう。それに作中現在は1929年のロンドンですからね。私の興味の中心どストライクです。
ミステリ的には、そうくるか?という話。ゆっくりした話の流れは、いつものフリーマン調で、牡蠣のごとく口を閉ざすソーンダイクにイライラしなければ、楽しい読書です。
トリビアは後ほど。

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