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ミステリの祭典

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リュシエンヌに薔薇を

作家 ローラン・トポール
出版日1972年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 人並由真
(2023/12/28 04:24登録)
(ネタバレなし)
 1967年のフランス作品。
 鬼才ローラン・トポールが当時まで十年ほどにわたってあちこちに書いた、ショートショート~短めの短編の全43編を収めた原書を全訳したもの。
 
 ショートショートと言っても尋常な短さではなく、スゴイものは1~数センテンスのものもいくつかある。

 シニカルな星新一……とかいうよりは、長谷川先生の『いじわるばあさん』の各編でしばし感じるブラックユーモア味。残酷なんだけど、笑ってしまうあの感覚が基調で、個人的には海原の漂流者が主人公の『絵空事』がベスト。ほかにも忘れがたい味のがいくつかあるので、フェイバリット編は時間が経てば変わるかもしれない。

 一冊読んだ人と話をして、互いに3~5本ずつ好きな作品をあげ合えば、相手の顔、そして自分の本当の顔が見えてきそう。そんな気分になれる一冊であった。

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